子供がなかなか算数ができるようにならない…
そんな悩みを、実は100人以上の親御さんの相談をうけてきました。
なかなか自分がわかっても、子供に教えることって本当に難しいんですよね。
数々のお子さんに算数を教えてきた中でわかったことがあります。
実は算数ができない理由は、大きく分けて3つに分けられるのです。
この記事では、
- お子さんが算数ができない本当の理由
- お子さんの算数ができるようにするために、家庭でやるべきこと
- おすすめの学習方法
について、解説していきたいと思います。
算数ができないお子さんの特徴と、本当の理由
私自信が、100人以上のお子さんに算数を教えてきて、「算数ができない」と言われているお子さんがつまづいている理由は、以下の3点でした。
- 算数は積み上げ式で、過去の部分を理解していない:全体の80%
- 失敗経験があまりにも多く、思考停止になっている:全体の15%
- 学習障害などの障害や、病気があるパターン:全体の5%
順番に解説していきますね。
算数は積み上げ式なので、過去の部分を理解していない
うちの子、全然算数ができないんです…
とおっしゃる親御さんと話を聞いていると、つまづいている問題は、だいたい「文章題」と「図形」のことが多いんです。
小学校低学年のではじめて「文章題」と「図形」でつまづくことが多い
子供が図形や文章題になると、とたんに投げ出すんです….
簡単な計算は、幼稚園の頃まではできたのに、小学校1年生で急に苦手になった場合によく多いのは、「文章題」ですね。
小学校二年生になってから増えるのが、「図形」の問題が増えてきます。
これは、実は基礎の概念で、
- 計算力
- 読解力
- 論理的思考力
が一気に求められるからですね。
小学校高学年になると、一気に算数ができないと感じる子が増える
さらに小学校4年生になった瞬間に、一気に苦手になるお子さんが増えます。
これは単純な計算問題がこの時期におわり、ここから一気に文章題と図形など、高度な概念が増えるからです。
また、公文式のような、「とにかく計算問題をやらせるだけで、丸がもらえた時期」がすぎ、一気に自信を失ってしまう場合が多いのです。
文章題と図形でつまづくことが多いのはなぜか
では、なぜ文章題と図形でつまづくことが多いのでしょうか。
これは実は、算数が積み上げ式の学問だからです。
例えば、三角形の面積を求める問題が出るとします。
この場合、
- 計算力:足し算, 掛け算の理解
- 読解力:出すべき答えや、条件を理解する力
- 論理的思考力:面積の概念を理解する力
の3つが必要になります。
例えば、まだ四角形の面積の求め方がわからないお子さんに、どんなにこの問題をやらせても、理解するのは難しいですよね。
算数は、このように、過去の学習項目の積み上げではじめて新しいことが理解できるようになるので、過去の学習項目が理解できないと、永遠に次の学習項目が理解できなくなるんです。
失敗経験があまりにも多く、思考停止になっている
算数を教えようとしても、嫌がって逃げます…
さきほどの話と続くのですが、算数ができないお子さんの特徴として、極端に自己肯定感が低いです。この記事を読んでいるあなたも、こんな経験はありませんか?
- 授業で新しく学ぶ内容が全く理解できないので、退屈すぎる…
- わからない問題を先生に当てられるのが怖い…
- できない問題をずっとやり続けて、「向いていないんだなぁ」と感じてしまう
これ、実は算数が苦手なお子さんのお母さんにこの話すると、「わかる〜」と共感してくださる方が多いんです。
実際にこの状態を想像してもらえればわかると思うのですが、お子さんは算数アレルギーになってしまっているんですよね。
算数に対する効力感が下がり切っているので、手をつけようとするとアレルギー反応が起こって、勉強に集中できないんです。
ちなみに、この状態で「算数を勉強しなさい!」というと、お子さんは強く怒ります。そして、これは一番算数をやらなくしてしまう発言になってしまいます。
もしかしたら、言っていたかもしれない….
算数の苦手なお子さんをお持ちのご家庭ほど、勉強を教えるときに喧嘩になりやすい傾向があります。ですので、もし算数ができない場合は、このような状態になっていることを理解して接してあげることが重要です。
学習障害などの障害、病気がある
最後のパターンなのですが、学習障害、発達障害などをお持ちのパターンです。
学習障害には、
学習障害には、3つの種類があります。
- 読解(ディスレクシア)
- 数学(ディスカルキュリア)
- 書き取り(ディスグラフィア)
学習障害をお持ちのお子さんの場合、そもそも計算ができなかったりすることもあるので、もし可能性がある場合は、一度精神科などで心理テストを受けて、診断してみるのがよいでしょう。
ちなみに、発達障害(ADHD, ASD(アスペルガー))の場合は、算数ができるお子さんもいらっしゃいます。
算数が得意になる方法は?
どうしたら算数が得意になるのでしょうか
教えてきた経験上、算数が得意になるためにやることは、以下2点が重要です。
- 今学習している項目を理解するために必要が学習項目を理解する
- 小さな成功を感じて、算数そのものに対する苦手意識をなくす
今学習している項目を理解するために必要が学習項目を理解する
例えば、今三角形の面積の求め方を理解したいとします。
その際に、いきなり三角形の面積を理解させるのではなく、
- 足し算・掛け算が理解できているか確認する
- 四角形の面積の求め方を理解できているか確認する
ことで、理解できるようになります。
小さな成功を感じて、算数そのものに対する苦手意識をなくす
そして、過去の積み上げを着実にこなしていくことで、少しずつ自信がついていくんですよね。
その中で、だんだんと算数に対する苦手意識がなくなっていきます。
そして自信がつくと、多少難しくても、粘り強く頑張って取り組んでくれるようになります。
確かに、難しい問題だけやらせていたら、なかなかやる気にならないですもんね
どの問題も「なんとかできるはず!」と思えるからこそ取り組むことができます。ですので、なるべくまずは基礎的な問題から取り組んでみて、自信をつけていくことが重要となります。
算数が得意な子にするために親ができること
実際に算数が得意なお子さんのご両親と100件以上面談していましたが、基本的に
- できないことを責めない
- お子さんが本当に苦手な場所を、学習をみつつ把握する
- 難しい問題をいきなりやらせず、お子さんのレベルにちょうどよい課題を与える
上のような共通点がありました。
子供の苦手を把握しておくことが大事なんですね
算数の苦手意識は、小学校4年生までになくしておくべき理由
算数の苦手意識は、早いうちになくしておくことが重要なのですが、できれば小学校4年生までには苦手意識をなくしておくことがおすすめです。
小学校4年生以降になると、積み上げが前提の学習項目ばかりになるので、そのタイミングで学習をやり直すのはとても大変です。
もちろん、4年生以降でも問題はないのですが、なるべく早いうちに、苦手意識をなくしておきましょう。
最後に
それでは、まとめです。
算数が苦手なお子さんの特徴は、
- 算数は積み上げ式で、過去の部分を理解していない:全体の80%
- 失敗経験があまりにも多く、思考停止になっている:全体の15%
- 学習障害などの障害や、病気があるパターン:全体の5%
の3パターンです。
まずは、お子さんがどの問題でつまづいているのか、そしてその前の概念をしっかりと確認しながら、学習を一緒に進めてみるとよいでしょう。
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