国際大学グローバル・コミュニケーションセンターの山口真一氏による、『実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証』という論文の紹介です。
炎上とは、投稿者に対して批判や非難が巻き起こる現象のことですが、山口氏は「炎上に加担する人はどのような特性を持っているのか」について研究しました。
山口 真一(やまぐち しんいち)| 国際大学 |
インターネットにおける炎上について、山口氏は以下のような仮説を立てて、計量経済学的な分析を行いました。
①炎上件数は近年増加している
②企業に関連する炎上が多く発生している
③炎上加担者は少ない
④炎上加担者はインターネットヘビーユーザーである
⑤炎上加担者は年収が少ない
⑥炎上加担者はインターネット上で非難しあってもよいと考えている
研究結果
研究結果ですが、
①炎上件数は近年増加している
→仮説通りだった
②企業に関連する炎上が多く発生している
→仮説通りだった
③炎上加担者は少ない
→炎上加担者はインターネットユーザー全体の約 1.5%だった
④炎上加担者はインターネットヘビーユーザーである
→「インターネット利用時間」等の変数は有意な影響を与えていなかった。
⑤炎上加担者は年収が少ない
→「男性」であり、「年収」が高く、「子持ち」の場合炎上加担者になりやすいことが判明した。一方で「学歴」は有意な影響を与えていなかった。
⑥炎上加担者はインターネット上で非難しあってもよいと考えている
→有意な影響があった
ということがわかりました。通説では、炎上加担者は社会的弱者だと思われがちですが、高所得層が意外に炎上に加担しているようですね。
引用
山口真一. “実証分析による炎上の実態と炎上加担者属性の検証.” 情報通信学会誌 33.2 (2015): 53-65.
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