教科書業界にNetflixモデルで風穴を空ける -イギリスでローンチ-

大学時代、教科書が非常に高かった記憶はありませんか。今回はそんな高すぎる教科書業界に、風穴を開けるかもしれません。Netflixモデルのデジタル教科書提供サービスPerlegoについてWill a Netflix Model Work for Textbooksという記事から紹介します。

高すぎる教科書代

現状、高等教育で使用される教科書の費用は、非常に高額になっています。
例えば、Amazonである教科書を購入しようとすると、50ドル（約5000円）かかります。

ロンドン大学のキャスビジネススクールでCity of Businessの経営学を学んでいた2年生のメルシエは、英国に本拠を置くPerlegoという新しいサービスを知りました。この会社は学術コンテンツのNetflixになりたいと考えています。Perlegoは、ユーザーにデジタル教科書を含むコンテンツライブラリへのアクセスを提供します。それらの本の物理的なコピーは、Amazonでが約50ドルの費用がかかります。

Netflix型教科書モデルで、定額15ドルで利用し放題

2017年1月にローンチしたPerlegoは、教科書業界で初めてNetflixモデルを利用し、定額15ドルで主要な教科書を利用し放題というサービスの提供を開始しました。

Perlegoは、ユーザーにデジタル教科書を含むコンテンツライブラリへのアクセスを提供します。それらの本の物理的なコピーは、Perlego学生の購読費よりもはるかに高価で、Amazonで約50ドルの費用がかかります。一方Perlegoでは月に約15ドルです。このサービスにはプレミアムバージョンがあり、月額約20ドルかかります。

Perlegoは2017年1月に正式に立ち上げられ、昨年の資金調達で、ほぼ70万ドルの資金調達を行いました。これまでのところ、同社はPalgrave、Wiley、Pearsonなどの主要な教科書出版社が参加しています。現在、McGraw Hillとの契約を締結する過程にあります。それが扱う非テキスト出版社には、Atlantic BooksやGreenleaf Book Groupなどがあります。

Perlegoには、The Great Gatsbyなどの5万以上のパブリックドメインの書籍にアクセスできる無料のバージョンもあります。主要なレポート、ホワイトペーパー、ケーススタディなどの出版物もあります。さらに、学生はプラットフォームでコラボレーションすることができます。たとえば、あるユーザが別のユーザにタグを付けて、強調表示された注釈や注釈付き注釈をチェックすることができます。

教科書業界の現状を1つの言葉で説明しなければならないとすれば、「壊れている」

現代の教科書業界は、時代遅れです。また、教科書出版業界も不況の状態です。

クリエイティブ・コモンズUSAのアウトリーチ・ポリシーマネージャーであるイーサン・セナック氏は、教科書業界の現状を1つの言葉で説明しなければならないとすれば、「壊れている」と言います。インターネットは学生にもっと知識を共有する場所であるはずなのに、教科書出版業界は「技術にレバレッジすることによって、情報アクセスを制限している」と言います。「教科書業界は、今を生きる学生の本当のニーズを満たしていません。この市場には、新しい何かが必要です。」

Perlegoのパートナーであるピアソンは、2016年に約32億ドルの税引前損失を計上しました。これは、過去最大の損失です。2017年7月、ペンギン・ランダム・ハウスの株式の22％を売却しました。そして1ヵ月後、ピアソンは3000人以上の従業員を解雇すると発表した。

Senackは、近年、教科書の価格に対する懸念が「熱狂」に達し、出版社は「消費者の懸念に対応する方法を探している、あるいは少なくとも反応しているように見える」と考えている。

Perlegoのビジネスモデル

Perlegoは出版社がどれくらいの頻度でそのタイトルが使用されたかに基づいて支払いをしています。

Perlegoは、出版社がどれくらいの頻度でそのタイトルが使用されたかに基づいて支払いをしていると話しています。たとえば、ユーザーが書籍を1つしか読んでいない場合、そのユーザーのサブスクリプション価格の65％がパブリッシャーに送られます。しかし、学生が2つまたは3つの異なる本を読むと、支払いは消費量に応じて分割されます。PerlegoはAmazonのKindle Unlimitedサブスクリプションサービスとは異なり、ロイヤリティモデルで本の価格を考慮すると述べています。

出版社は、Perlegoに入会するときにお金よりも、有益な情報を得ることができます。誰が何を読んでいるのか、特定の本にどのくらいの時間を費やしているのか、そしてどの本がより人気があるのかがわかるデータも手に入ります。出版社は特定の地域の読書習慣についても学ぶことができます。たとえば、特定の大学の学生が多くの化学コンテンツを読んでいる場合などです。